ポートランドのまちづくり

ポートランドのまちづくり

ポートランドで都市計画を勉強する大学院生のブログ

まちの骨格 - 道路:格子状 or くねくね

まちのベースを決める要素はたくさんありますが、大きなものとして道路が挙げられます。道路をどう引くかによってまちの骨格が決まります。
 
碁盤の目 vs くねくね
道路の基本形として、碁盤の目のようなグリット型と、自然に引かれたカーブの多い形があります。
碁盤の目は整然としたまちの印象となりますが、無機質だと感じる場合もあります。一方で、長方形の土地のほうが売却しやすい、郊外に向かって道路を延伸させることで都市を延長させやすい、という合理的な理由もあります。アメリカは、以下のように色々な大きさの碁盤の目の街があります。
 

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アメリカの主要都市のグリッドプラン

ポートランドは左下ですが、ご覧の通り、1ブロックの大きさが一番小さく、一辺は約60mで、だいたい1分歩くと次のブロックになります。一番下の真ん中、ソルトレークシティと比較すると歴然です!ソルトレークシティの街区はアメリカの主要都市の中で最も大きいサイズだと言われており、一辺は約200mもあります!
ポートランドは区画が小さいため、歩いていると景色が次々と変わり楽しいです。実は私はあまり歩くことが好きではなかったのですが、ポートランドはすいすいと何ブロックも歩けます。
 
なぜポートランドの区画がこんなに小さいのかは諸説あるようですが、路地を多く引き、多くの角地を作った方が不動産として売買・賃貸しやすいから、が理由だとされています。営利上の観点から作られた小さな区画が、時を経て、歩きやすいサステナブルなまちづくりに貢献するとは、その当時は誰も思っていなかっただろうなと思います。同時に、”当時は予期していなかったことが今のまちに大きく貢献している”ということが、この街にはたくさんある気がしています。その話はまた別の機会に!