ポートランドのまちづくり

ポートランドのまちづくり

ポートランドで都市計画を勉強する大学院生のブログ

先住民が生み出した「生物多様性」

 ブリテッシュ・コロンビアの森の中に、突如として現れる様々な植物(ヘーゼルナッツ、アップル、クランべリー、サンザシなど)のパッチがあるそうですが、実はこれらは野生ではなく、かつて先住民が植栽したものだったことが分かった、という記事です。これらの植物は、先住民が土地を去って150年以上手つかずの放棄地になった今もなお生産を続け、周辺の生態系の多様性にポジティブな影響を与えているそうです。

 

The forest gardens were filled with plants that benefited humans, but they also continue to provide food for birds, bears, and insect pollinators, even after 150 years of neglect. It’s evidence that human impact on the environment can have long-lasting positive effects. “A lot of functional diversity studies have a ‘humans are bad for the environment’ approach,” Armstrong says. “This shows humans have the ability to not just allow biodiversity to flourish, but to be a part of it.”

 

”人間は、環境に悪い生き物だと捉えることが多いですが、それと同時に、長期的に環境にポジティブな効果をもたらせる存在でもあるのです”

”人間は、生態系の多様性を繁茂させられるだけではなく、その一部にもなれるのです”

 

(意訳ですが)↑の二文に、都市計画を志す者としてハッとさせられました。

まちづくりの過程の色々な決断が、10年、20年という単位ではなく、数百年後にも影響を与えることに改めて気づき、自分が想像するよりもっと長期的な視点が必要であることを感じました。

 

また、「環境に悪いことをしないようにしよう」とか、「環境に優しく」といった意識は持っていますが、上記の先住民は、それを超越した「環境にプラスの効果」をもたらしていたんですね。自然と調和しながら、そして、数代先の子どもたちのことを思いながらサステナブルに生きる先住民の考え方は、流行りの「SDGs」の原点なのかもしれません。