ポートランドのまちづくり

ポートランドのまちづくり

ポートランドで都市計画を勉強する大学院生のブログ

ポートランド・ダウンタウンの都市デザイン


ポートランドは、ウィラメット川を挟んで東西に街が発展しています。1970年代、政府は、ウィラメット川沿いの高速道路を拡張するという計画を立てました。これに対し、市民は反対運動を起こし、高速道路の建設計画は中止となりました。これを受けて既存の高速道路も撤去され、高速道路の拡張のための予算が残りました。自治体は、残った予算を公共交通機関の整備に転用し、路面電車やバスを整備しました。
 
完全に車社会の1970年代に、高速道路の拡張計画にNoを突きつけ、さらに既存の高速まで撤去してしまうという決断は、当時は相当ユニークだったと想像します。
 
市民主体で政府にNoを突きつけ、自治体も、残った予算をちゃっかりと他の事業に転送してしまうという、ボトムアップ+ユニークな歴史は今も語り継がれており、ポートランドアイデンティティになっています。
 
高速道路を取り壊してできたウィラメット川沿いの空間は、現在公園として整備されています。ダウンタウンのほとりに大きな公園があることにより、緑豊かなまちの雰囲気を作り出しています。
 
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※1970年代に作成されたアーバンデザインマップ。現在のポートランドのコンセプトの基になっています。