ポートランドのまちづくり

ポートランドのまちづくり

ポートランドで都市計画を勉強する大学院生のブログ

市民のリビング・パイオニア コートハウス スクエア | Pioneer Courthouse Square

 

 

ポートランドで一番有名な場所と言っても過言ではない、パイオニア・コートハウス・スクエア。ダウンタウンのど真ん中の1ブロック(1辺約60m)が丸ごとアーバンプラザとなっています。
広場は一面レンガ造りとなっており、それを囲むように階段が広がっています。
 

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広場の南側にはいくつかのフードトラックが出ており、たまに変わり種のフードトラックが来ることも! 

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NWに店舗があるひよこ豆ジェラート屋さんが、広場に臨時オープンしていました!ポートランドにはビーガン用のお店も多いです。

市民は階段に座り、ランチやコーヒー片手に、思い思いの時間を過ごしています。晴れた日は特にたくさんの人が広場に集まってきます。年間で300もの催し物も行われ、いつも賑やかで暖かな雰囲気の、まさに「ポートランドリビングルーム」です。 

 

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1850年代は学校、それからホテル、そして1970年代は二階建ての駐車場となったこの場所。その増設計画に市民が反対し、それを契機に広場建設の計画が決定しました。しかしその後、首長が交代し、イヴァンシー新市長は、ビジネスオーナーや声の大きな市民を引き連れ、「オープンスペース」が浮浪者の溜まり場になること、資金不足などを理由に広場の建設に反対し、計画は頓挫してしまいます。これを受け、市民団体は建設費用の寄付を募り、約2億円を集めました。市民の努力の甲斐あって、1984年にようやく公園の建設が行われました。
今でも、レンガ畳の一つ一つに寄付者の名前が刻印されています。

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$125の寄付であなたの名前も刻印できます!
イオニア・コートハウス・スクエアは、市民の反対運動と市民による寄付によって建設されたというとてもユニークな歴史を持っています。これは、1970年代の高速道路建設反対運動と通ずるところがあり、まさに、ポートランドの市民参画の形を映していると思います。こういった市民の姿勢は今でも、積極的な住民参画という形でポートランドに生き続けています。u